COLUMN

「やりたいことがわからない」から始める、キャリアの見つけ方

「自分に向いている仕事がわからない」「本当にやりたいことって、何だろう?」
就職や転職を考えるとき、多くの人がぶつかるこの壁。特に、アスリートとして一筋に打ち込んできた方ほど、引退後やセカンドキャリアを考える際に、自分の進むべき道に悩むものです。

でも、大丈夫です。最初から“明確な夢”や“やりたいこと”がなくても、一歩ずつキャリアを築いていくことは可能です。
むしろ、迷っている今こそ、自分としっかり向き合うチャンスです。

なぜ「やりたいこと」がわからないのか?

まず知っておきたいのは、「やりたいことがない」のは、決して悪いことではないということ。多くの人がその状態からスタートしています。むしろ、社会に出る前に「これしかない!」と狭く決めてしまう方が危うい場合もあるのです。

「やりたいことがわからない」理由は、いくつか考えられます。
・選択肢を十分に知らない
・周囲と比べて焦ってしまう
・自分の価値観や強みに気づいていない
・「やりたい=情熱を持てる仕事」という誤解

つまり、自分に合った仕事や環境を知らないまま、「やりたいことがない」と感じている人は非常に多いのです。

スタートは“自己理解”から

やりたいことが見つからないとき、最も大切なのは「自己理解」です。自己分析というと、少し堅苦しく感じるかもしれませんが、ポイントはシンプルです。

1. これまでの経験を棚卸しする
スポーツを通して培ってきたもの、たとえば、

・チームでの役割(リーダー?支えるタイプ?)
・練習や試合への取り組み方(地道な努力型?勝負強いタイプ?)
・苦しい時にどう乗り越えたか

これらを思い返すことで、自分の「強み」や「価値観」が見えてきます。

2. 「楽しい」と感じた瞬間を思い出す

結果ではなく、“過程”でワクワクした経験に注目してみましょう。

・仲間と作戦を練る時間が楽しかった
・後輩の面倒を見るのが好きだった
・整理整頓や記録をつけることに没頭できた

こうした体験から、「自分が何に満足感を感じるのか」を探ることができます。

3. 他人からのフィードバックを受ける

自分のことは、自分では意外と気づきにくいものです。親しい友人や元チームメイト、指導者に「自分の長所って何だと思う?」と聞いてみると、新たな発見があるかもしれません。

「興味がある」から始めていい

やりたいことが見つからないときは、「なんとなく興味がある」「ちょっと気になる」くらいで十分。完璧な正解を求めすぎると、いつまでも動けなくなります。

たとえば、

・人と話すのが好き → 接客や営業
・カラダのことに興味がある → トレーナーや整体、福祉の仕事
・スポーツの知識を活かしたい → スポーツ関連の企業や教育分野

「試してみたい」を大切にすることで、想像もしていなかった道が開けることもあります。

実際に“動いてみる”ことでしか見つからない

紙の上でいくら考えても、実感はつかめません。だからこそ、小さく動いてみることが重要です。

・説明会やセミナーに参加する
・短期のアルバイトやインターンを体験してみる
・興味のある業界の人に話を聞いてみる

「面白そう」「意外と向いてるかも」という発見は、動いた人だけが得られる特権です。

大切なのは「自分に合う仕事」を探すこと

やりたいことがなくても、人生は前に進めます。実際に、多くの元アスリートたちは、最初は“なんとなく”の興味でスタートし、仕事を通じて「自分のやりがい」「働く意味」を見つけています。

大切なのは、「憧れの職業」ではなく、「自分に合った働き方」「自分らしくいられる環境」を探すことなんです。

焦らず、自分のペースで

キャリアは、人生の長い旅路です。いきなり「天職」に出会える人は、ほとんどいません。試行錯誤をしながら、自分に合う道を少しずつ形にしていくものです。「やりたいことがわからない」と感じているなら、それはスタート地点に立っているという証拠です。自分と向き合い、小さな一歩を踏み出すこと。それこそが、キャリアを見つけるための最初の“答え”です。

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